AIでデイリースクラムを自動化したら、属人化が解消された話

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はじめに

FindConsultingでエンジニアをしております、S.Iです。
現在、私たちのチームでは新入社員向けの研修プロジェクトを実施しており、 日々の進捗管理としてデイリースクラムを導入しています。

今回、このデイリースクラムの事前準備にAIエージェントを活用し、業務の効率化を図る取り組みを行いました。
主に「Claude Code」を採用し、各ツール(タスク管理ツール、チャットツール、GitHubなど)に点在する情報を横断的に解析させることで、デイリースクラムのアジェンダを自動生成させています。

本記事では、上記の取り組みをAIを用いて仕組み化したことによって、デイリースクラムの進め方やチームにどのような変化や効果が生まれたのかをご紹介します。

なぜデイリースクラムの改善を考えたのか

デイリースクラムの見えないコスト

人間は1日に約3万5000回の判断を行っており、脳の認知資源は有限だと言われています。
私たちのデイリースクラムにもこの「認知資源」を無駄に消費してしまう見えないコストが潜んでいました。
(そもそも無駄なことはやらないことが一番ですが、)いかに無駄なものをAIで省いていくかが今回の改善のスタートラインです。

当時のデイリースクラムは「固定のアジェンダがなく、各個人のメモや記憶、チャットツールを起点に進行する」という状態でした。
これにより、大きく分けて2つの深刻な課題が発生していました。

認知コストの問題(情報収集と記憶の負担)

アジェンダが存在しないため、進行役は会議の都度、必要な情報を事前に収集・整理しながら進行する必要がありました。 その結果、以下のような認知的・作業的負荷が発生していました。

  • 会議直前での進行内容の作成
  • 複数ツール(タスク管理ツール、チャットツール、GitHubなど)を跨いだ状況確認
  • 前回の議論内容や未完了タスクの想起

結果として進行役の脳のメモリが圧迫され、口頭で依頼した内容の抜け漏れも発生していました。

チームの「主体性の欠如」と属人化

個人のメモベースでの会議の結果、 一部の慣れたメンバーしかファシリテーターができないという属人化を引き起こしていました。

やらされている感の蔓延
特定のメンバーだけが会議を仕切る状態になり、他のメンバーは「ただ参加して、聞かれたことに答えるだけ」の受け身になっていた。

主体性の消滅
参加者全員にアジェンダ(会議の道筋)が見えていないため、議論を自分たちで前に進めようとするチームの主体性が失われていた。この主体性の欠如が一番の課題でした。

この状態を改善し、誰がファシリテーターを担当しても安定して進行できる状態を作ることが進行負担の軽減やチームの主体性を取り戻すことにつながると考えました。

解決策:アジェンダ自動生成の仕組み

こうした課題を解決するため、以下の技術を使用してアジェンダ作成を自動化しました。

  • GitHub Actions
  • Claude Code(AIコーディングアシスタント)
  • Markdownテンプレート(アジェンダ)

具体的なステップは以下の通りです。

デイリースクラムの雛形(テンプレート)を作成

デイリースクラム用アジェンダの以下雛形をMarkdownで作成し、GitHubに格納します。

  • 今日のファシリテーター
  • 前回の宿題事項
  • トピックの共有
  • 各メンバーの進捗確認
    • 実施内容
    • 具体的な成果物名
    • 所要時間

GitHub Actions (claude-code-action) の実装

GitHub Actionsの schedule イベント(cron構文)を使用し、毎日決まった時間に自動でClaude Codeを呼び出します。
AIが各ツール(タスク管理ツール、チャットツール、GitHubなど)を横断的に探索し、以下のようにテンプレートを埋めていきます。

  • 今日のファシリテーター: ランダムで選出(特定メンバーへの負担の偏りを防止)
  • 前回の宿題: タスク管理ツールやGitHubから自動取得
  • トピック共有: チャットツール上の発言などを参照して自動取得
  • 各メンバーの進捗確認: タスク管理ツール、チャットツール、GitHubなどから自動取得

全員の貢献が言語化されるセクションの追加

さらにプロンプトを工夫し、「AIが毎回全メンバーの行動を具体的に褒めるセクション」を生成するようにしました。 これにより、人間だけでは見逃しがちな小さな貢献(ドキュメント整備や、最新技術の共有など)もしっかりと拾い上げられる仕組みにしています。

アジェンダ自動化がもたらした予想以上のメリット

定量的なBefore/Afterのデータはまだ計測できていませんが、定性的に実感している改善効果があります。

認知コストの削減と会議の質向上

各作業者の状況確認や各ツール(タスク管理ツール、チャットツール、GitHubなど)を横断した確認の手間が減り、認知コストが大幅に削減されました。

情報の網羅性が向上
個人の記憶頼りだった振り返りがAIによる複数ツールの横断探索に代わり、 自分たちでも見落としていた細かなタスクや変更点が自動でピックアップされ、記憶漏れによるリスクがなくなりました。

意思決定の精度が向上
「どこまで議論すべきか」のゴールが明確になり、画面を行ったり来たりする無駄な時間が消えました。 その結果、本来時間をかけるべき事項の検討にリソースを集中できるようになり、意思決定の質が高まりました。

議論の立ち上がりをAIが加速
ゼロベースで考えるのではなく、AIが生成した「叩き台」を起点に議論を発展させられるため、スムーズに意思決定へ移行できるようになりました。

チームの主体性アップと運用安定(属人化の排除)

チームの動き方や文化にポジティブな変化が起きています。

「誰でも回せる」会議の仕組み化
AIがプロンプトを実行して叩き台を作ってくれるため、特定メンバーが休んでも会議が止まることがなくなりました。 手順がナレッジとして蓄積されたことで属人化が解消され、メンバーの状況に関わらず運用が安定しています。 また、若手メンバーが担当することで、現場での会議の回し方の練習にもなっています。

ゲーム感覚で高まる主体性
ファシリテーターをランダム選出する運用により、「会議をやらされている感」が減少。 緊張感を持ちつつ、若手メンバーも主体的に会議をリードする練習ができています。

隠れた貢献を可視化する文化
AIがメンバー全員の行動(ドキュメント整備や細かな問い合わせ対応など)を具体的に褒めるセクションを生成。 人間だけでは見逃しがちな「小さな貢献」にスポットライトが当たることで、 一部のメンバーだけでなく全員の発言が増え、チーム全体の知見がよりオープンになりました。

おわりに

この記事では、デイリースクラムの準備にAIを取り入れ、アジェンダを自動生成する取り組みを紹介しました。
実際に導入してみて感じたのは、「会議の質は『準備』で決まる」ということです。
アジェンダ作成という小さな作業を自動化しただけでも、以下のような変化が生まれました。

  • 認知コストの削減
  • 会議の時間短縮
  • 依頼内容の抜け漏れ防止
  • ファシリテーターの属人化解消
  • チームの主体性向上

議論のスタート地点にAIを活用するという姿勢が、チームに無理なくフィットした大きな要因だと感じています。

日々のスクラムイベントは小さな積み重ねですが、その改善はチーム全体の生産性に直結します。
「会議の準備に時間を取られている」「進行が属人化している」と感じている方は、まずは「叩き台」としてのアジェンダ自動生成から試してみてはいかがでしょうか。

この記事が、みなさんのチーム改善のきっかけになればうれしいです。

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この記事を書いた人

弊社FindConsulting在籍のエンジニアです。
業務システム開発の現場で、商用WebアプリやPoCのフロント・バックエンド開発、AWSによるインフラ構築・運用まで幅広く担当してきました。
加えて、プロダクト開発に留まらず、採用やチームビルディング、業務自動化を通じた課題の解決にも注力し、技術と組織の両面から事業成長を推進しています。
本ブログでは、これらの経験をもとにAIによる業務効率化やAWSに関する実践的な開発・運用ノウハウを発信していきます。

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